救急救命士のため息現場 case3
天井に向かって打て
このためいき現場のお話どうしても多くなってしまうのはホームレスの方のお話になってしまいます。今回もやっぱりホームレスのお話。「○○町、映画館前路上男性は倒れているもの」出動した我々救急隊、現着するといかにものカッコの方が倒れて・・?寝ていました。通報者の映画館の警備員、
警備員「あそこにずっと倒れているんです」
救急隊「そうですか」
飲食店なんかに多いんですけど、店の近くにホームレスが寝てしまったりすると119番する場合がよくあります。寝ているんですけど商売の邪魔なわけです。かと言ってたちの悪いホームレスもけっこういる。で、119番するんです。この日の場合は額に確かにちょっとした怪我をしていました。
救急隊「どうされました?」
ホームレスH「寝ていたんだ」
救急隊「寝ていたの?額に血が出ているよ、病院行って診てもらう?」
ホームレスH「診てもらう」
救急隊「じゃあ救急車に乗ろう、ずいぶんお酒飲んだんですね、ずいぶんと匂うよ」
ホームレスH「飲んだら転んだんだ」
(あ〜あただの酔っ払いホームレスじゃねえかよ・・)とは思いつつも額に出血があるし本人が病院に行きたいって言うんじゃ連れて行くのが仕事、でも受け入れる病院はなかなか決まらないのが現実です。7件、8件くらい断られた頃だったでしょうか。
ホームレスH「便所に行きてえ」
そう言うとズボンを下ろしはじめた。
救急隊「ちょ、ちょ、ちょっと待って〜!トイレ!?我慢できないの??今病院探しているから」
ホームレスH「できねえ!」
とさらに今度はパンツまで下ろそうとする。
救急隊「ちょ、っちょっと待ってってば!!トイレ行こう!映画館のトイレ借りよう、な!な!」
隊長と機関員に抱えられホームレスは映画館のトイレへ。どこでもトイレにしちゃうようなホームレスのHさん、周辺の病院は全てブラックリストに載っていて診てもらえる病院がなかなか見つからない。病院が決まるまで40分近くかかりました。
トイレにも行ってすっきりしたHさんは悠々とストレッチャーに寝てようやく決まった病院に向かいました。近隣病院は全てブラックリストで搬送先病院には救急車でも15分はかかる距離、サイレン轟く救急車内、走り出して5分ってところでしょうか。
ホームレスH「便所に行きてえ」
救急隊長「ええぇ〜!Hさんさっき行ったばっかりじゃない!」
ホームレスH「それでも行きてえ」
ズボンを下ろしはじめた。おいおいおおいおい。
救急隊長「あと5分で着くから我慢しような!な!なあ!」
どう考えても5分じゃ着かない距離なれど隊長はそう言って説得するもホームレスHはすでにパンツを降ろして準備OK!
救急隊長「おいおいおいおい!ここじゃダメだっておいおいあ!あぁぁ〜…」
救急隊員、機関員「あああぁぁ」
ホームレスH「ああぁ、ふう」
ふうじゃねえよ!ホームレスHはストレッチャーの上でこともあろうに天井に向かって小便をしやがったんです。ちょろちょろと…。
救急隊長「こんなところでしちゃだめだってぇ〜!何しやがるんだよ!あんたそんなんだからどこも診てくれる病院なくなっちゃうんだよ」
まぁ車内でへっちゃらで小便するような人ですからね、行っても無駄…。
ホームレスHは車内で小便をたれて病院へ。隊長はため息と怒りの中でホームレスHと病院へ、残された隊員と機関員は車内の清掃へ。ストレッチャーはびしょびしょ、さらに救急車の床にも小便が…。小便を拭きながら
救急隊員「こんなことやるために救急隊員になったんじゃなかったんですけどね…」
アルコールを振りまきながら
救急機関員「オレだってそうだよ!はぁぁ…。」
医師に引継ぎ救急車に戻ってきた救急隊長
救急隊長「あの野郎、病院の診察台の上でも小便したいって始まりやがってさ、ここの病院もブラックになるな…」
こんなことしているんですよ救急隊って、このホームレスHもちろん軽症、なんなら入院させてくれない腹いせに病院で騒ぐ始末、病院から追い出すのも連れてきた救急隊の責任ですからね。ホームレスの両脇を抱え
救急隊「入院しなくって大丈夫だって!帰ろう!な!な!!」
とか言いながら暴れるHを連れ出す。
婦長さん「もうあんたなんか絶対診ないからね!」
あぁぁ婦長さんそんなこといわないでよ。ますます興奮したホームレスHは
ホームレスH「こっちだって来るかよ!こんなやぶ医者〜!」
とか叫んで暴れる暴れる・・・もう大変!これって救急隊の仕事なの??疲れ果てた救急隊、帰り道交わす会話もありゃしない中、救急隊長、
救急隊長「とんでもねえ野郎だったなぁ…」
ホントとんでもねえです。知られざる救急隊の仕事振りでしょ。この間にも本当に救急車を必要とする方がいたのかもしれない。このままでいいのかな?
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