救急救命士のため息現場 case4
子どもは何するか分からないから…はぁ
先日の救急出場、うんざりのため息現場に出場してきました。「3歳のお子さん転倒し上唇を切創したもの」との指令内容。指令内容からして軽症の臭いぷんぷんではありましたが、行ってみないと分からない。キチンとやるべき観察処置をしてこそプロの仕事ってもんです。ひょっとしたら転倒し高さ3mから落っこちて唇が完全に裂けて血の海になっているかもしれない。
現着。指令番地のマンション前に停車、救急車のサイレンを聞きつけたお母さんに抱かれて3歳の女の子は半べそをかいていました。お母さんがだっこしたまま車内収容。見た瞬間、救急隊は(つば付けとけば治るよ…)って思いました…。転倒して顔をぶつけて前歯で上唇をちょっと切っちゃったんですね。出血はもう完全に止まっていて、すでにかさぶたになりかけていました。できる処置もなし。
お母さん「私が目を話している隙に泣き声が聞こえたから飛んで行ったら転んで唇を切っちゃったんです」
救急隊「…そうですか。でももう出血も止まっていますし前歯にも異常ありませんしこのまま病院にお連れしますよ」
お母さん「○○病院に行ってください。この子もそこで生まれたんです」
救急隊「…連絡してみましょうね」
「はい、連絡してみて!」とか言っちゃって隊長はその子を「カワイイね〜」とか言っちゃってあやしにかかっている。その子もすっかりご機嫌になっちゃって救急車内でキャッキャはしゃいでいる。…。
連絡。PHSにて。
救急隊「3歳のお子さんが転倒して上唇約1cm切創、出血は止まっています。その他バイタル異常ありません」
医師「…それで救急車呼んだの?」
救急隊「そうです。」
医師「しょうがないね、どうにかならないの?」
救急隊「呼ばれましたからね…どうにもなりません」
医師「そうだよねぇ〜(失笑)診ましょう、どうぞ!」
救急隊「ありがとうございます。5分ほどで到着できると思います」
現発。○○病院に向けて出発した救急車サイレンを鳴らして走行する救急車内。
お母さん「ホント子どもって何するか分からないから…はぁ」とため息。
救急隊「…そうですね」
(あなたの100万倍はぁって思ってますよ私たちは)
病着。先生の診察。
医師「あ〜ちょっと唇切っちゃったね〜大丈夫だよ〜ちょっとしみるよ〜」
消毒しておしまい。およそ1分。
お母さん「先生、ありがとうございました」
医師「いいえ、あのね、お母さんこんなことで救急車使っちゃダメだって!子どもは怪我してなんぼなんだからね、こんなんで救急車使っていたら本当に危ない人が使えなくなっちゃうでしょ?」
医師からのお母さんへのご指導およそ2分。コントですよホント…。
医師「大変だね救急隊も」
救急隊「そうですね、はぁ…(ため息)」
上唇切創(軽症)先生の診断結果を記入してもらっている間にその母子は救急車に軽く会釈をして帰っていきました。
救急機関員「オレたちより引揚げが早いじゃね〜か」
救急車の1回の利用にかかるお金はおよそ4万5千円。適正に救急車が使われないといっくら税金納めても足りるはずがありませんよね。
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