【社説】救急搬送に料金 利用控えを招かぬように

目次

時事ネタ

【社説】救急搬送に料金 利用控えを招かぬように

 長崎市にある三つの大規模病院が7月から、要請時点で救急搬送の緊急性が認められない場合、医療費とは別に追加費用を徴収する。

 救急車が軽症患者の搬送に追われ、救える命が救えない事態があってはならない。緊急措置が必要な患者を迅速に搬送する目的は理解できる。

 懸念されるのは、救急車の利用控えだ。市民の理解と協力が得られるように、病院と市は広報と検証に努めてもらいたい。

 追加費用は紹介状なしに大病院を受診した際に加算する選定療養費で、7700円を窓口負担額に上乗せする。九州では初めての措置だ。

 長崎大病院など3病院と市は救急車の利用に関するリーフレットを作った。救急車を呼ぶ緊急性が低い例として、37・4度以下の微熱や打撲、便秘だけの症状、慢性的または数日前からの腰痛や歯痛などを挙げている。

 熱中症や小児の熱性けいれんで搬送後、病院で回復して軽症と診断された場合でも、救急車を呼んだ時点で「緊急性があった」と認められれば費用は発生しない。

 生活困窮者や高齢者らが利用を思いとどまらないように周知が必要だ。

 追加費用を求めるのは、救急車の出動が増え、重症患者の搬送に支障が出ているからにほかならない。

 2024年の全国の救急車出動件数は過去最多の約772万件で、搬送者の半数近くが軽症だった。緊急性が低いのに119番し、救急車をタクシー代わりにするような不適切利用も少なくない

 長崎市一帯でも搬送件数が増え、5割以上が大病院に集中している。このうち約35%が軽症者だ。

 費用の徴収には先行例があり、24年12月に始めた茨城県は1年間の検証結果を公表している。

 追加費用を徴収したのは救急搬送の3・5%だった。軽症者の搬送は前年より14・3%減り、救急医療の逼迫(ひっぱく)に一定の効果があったと受け止めている。利用控えによる重症化は確認されていない。

 今後、他の地域が導入する際に課題となるのは費用を徴収するか否かの線引きだ。

 搬送先の医師の判断に委ねられるが、同じ症状でも年齢や病歴によって深刻さは異なる。医師によって診断結果が異なる可能性もある。

 利用者に不公平感がないように、適切な追加徴収額を含めて国が指針を検討すべきではないか

 長崎市の取り組みをきっかけに、救急車を適正利用する機運を広げたい。不要不急の救急要請が、他の救急患者の命に関わることを多くの人に知ってほしい

 (記事は続く)

2026年6月28日西日本新聞からの引用


西日本新聞の社説の引用です。

不要不急の救急要請が、他の救急患者の命に関わることを多くの人に知ってほしい」で結ぶ記事、西日本新聞さん、素晴らしい記事をありがとうございます。これこそがまさに当サイトの目的・理念です。西東京新聞さんだけでなく、全国のマスメディアの方にも是非ともお願いしたいものです。

記事にもあるように、茨城県は全国に先駆けて県単位でこの取り組みを行い一定の成果を上げています。一方で賛否もあり、この取り組みは茨城県知事選挙の議論のひとつにもなっていました。茨城県内の水戸市では救急車の呼ぶことへの「ためらい」を防ぐための取り組みが行われています。

県と市で矛盾するような取り組み、この問題がいかに難しく根が深いか、記事でも指摘のあるように都道府県、市町村で解決できる範囲を超えているのかもしれません。

軽傷者の救急車の利用に対する選定療養費の徴収は全国に広がるでしょうか。都道府県、市町村でのローカルな取り組みで継続するのでしょうか。

選定療養費の徴収について、こちらをご覧の方はどう思いますか?コメントをいただけると嬉しいです。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

コメント

コメントする

目次