心不全

用語解説

心不全とは心臓の機能が低下し、全身の臓器に必要な血液を十分に送り出せなくなる状態を指します。日本循環器学会の定義によれば、心不全は「心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気」とされています。

心不全の種類

  • 左心不全と右心不全: 左心室が原因で起こるものを左心不全、右心室が原因で起こるものを右心不全と呼びます。両方の心室が悪くなる場合もあり、これを両心不全といいます。
  • 収縮不全と拡張不全: 左心室の収縮力が低下して起こるのが収縮不全で、収縮力はあるが拡張期に膨らむことができない、または膨らむのに時間がかかることで起こるのが拡張不全です。
  • 急性心不全と慢性心不全: 急激に心臓の働きが悪くなる場合を急性心不全、心不全の状態が慢性的に続く場合を慢性心不全と呼びます。

心不全の原因

心不全の原因となる疾患には、虚血性心疾患、心筋症、心筋炎、心臓弁膜症、先天性心疾患、不整脈などがあります。また、高血圧、糖尿病、腎不全などの併存疾患も心不全の発症や進行に大きく影響します。

心不全の症状

初期症状としては、むくみや息切れが代表的です。病状が進行すると、横になると息苦しくなる起坐呼吸が現れることもあります。

心不全の経過と予後

心不全は悪化と回復を繰り返しながら徐々に進行し、最終的には安静時にも症状が現れる状態になります。心不全の5年生存率は50%程度で、命を縮める病気とされています。

心不全の治療

治療の基本は、原因となる病気の治療と薬物療法です。薬物療法では、心臓を保護する薬や利尿薬が用いられます。

心不全は慢性疾患として生涯にわたって管理が必要であり、生活習慣の改善や適切な治療が重要です。

119番通報する前に1秒だけ考えてほしい、 大切な人がすぐ近くで倒れていないだろうか?今、本当に救急車が必要だろうか?と。
すべては救命のために
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