用語解説
死斑とは人が死亡した後に皮膚の表面に現れる、紫赤色または紫青色の斑点状の変化です。救急隊が社会死状態と判断する際の要件のひとつになります。
発生の仕組み
- 死亡すると心臓の拍動が止まり、血液の循環が完全に停止します。
- その結果、血液は重力によって体の下側(低い位置)に移動し、血管内に滞留します。
- この血液が皮膚を通して透けて見えることで、死斑として観察されます。
発現時期と変化
- 死後20~30分ほどで斑点状に現れ始め、2~3時間で顕著になります。
- 6~10時間後には全体に広がり、15時間ほどで最も強くなります。
- 初期の死斑は死体の体位を変えると新しい低い位置に移動しますが、7時間以上経過すると元の位置にも残るようになります。
- 初期は指で押すと色が消えますが、死後1日経つと消えにくくなります。
発現部位
- 仰向けの遺体では背面、うつ伏せでは前面に発生します。
- 首吊りの場合は下半身に広く現れることが多いです。
死斑の色調と死因の関係
- 通常は暗紫赤色ですが、死因によって色が異なる場合があります。
- 一酸化炭素中毒や青酸中毒:鮮やかな紅色
- 亜硝酸ナトリウム・塩素酸カリウム中毒:チョコレート色
- 硫化物中毒:緑色を帯びる
- 急性心臓病や窒息、脳出血などでは強く現れ、失血死や敗血症などでは弱く現れます。
119番通報する前に1秒だけ考えてほしい、 大切な人がすぐ近くで倒れていないだろうか?今、本当に救急車が必要だろうか?と。
すべては救命のために
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