用語解説
大動脈離隔(だいどうみゃくかいり)とは、心臓から全身の血液に大動脈壁に亀裂(裂け目)が入っていて、そこから血液が壁の中に流れ込んでいくことで、大動脈壁が内側と外側に広がってしまう病気です。
病態
- 大動脈壁は「内膜・中膜・外膜」の三層構造になっていますが、主に内膜に裂け目ができ、血液が中膜へ流れ込みます。
- この結果、本来の血管通り道(真腔)とは別に、壁の中に新たな血流通り道(偽腔)ができてしまう。
- 突然、胸や背中に「引き裂かれるような激しい痛み」が現れるのが典型的な症状です。
- 進行が早く、命にかかわる危険な病気です。場合によっては心臓の周囲に血液がたまり、心臓が圧迫されてショック状態になることもあります。
- 主な原因は高血圧や動脈硬化で、血管壁もろくなることで発症リスクがございます。
大動脈解離の主な症状
前兆はほとんどない
多くの場合、前感動せずに突然発症します。 ごくまれに発症前に軽い胸痛を感じることもありますが、ほとんどは突然の激痛が最初の症状です。
突然発症する激しい痛み
特徴的な症状は、胸背中や現れる「引き裂かれるような激しい痛み」です。多くの患者が「これまで経験したことのない痛み」と表現します。
痛みの場所と移動
痛みは胸だけでなく、背中、みぞおち、腰などもあります。大動脈の裂け目が広がると、痛みの場所も胸から背中、腰、お腹まで移動することがあります。
その他の症状
- 息苦しさ(息ができないように感じる)
- 吐き気や吐き気
- 冷や汗
- 失神や意識障害(痛みの強さやショックによる)
- ショック状態(血圧低下、顔面蒼白など)
- 手足のしびれや麻痺(血流障害による場合)
- 血圧の左右差
119番通報する前に1秒だけ考えてほしい、 大切な人がすぐ近くで倒れていないだろうか?今、本当に救急車が必要だろうか?と。
すべては救命のために
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