救急救命士とは
救急救命士制度
従来の救急隊員が緊急避難的に搬送中に応急処置を行っていたのに対し、救急救命士は国家資格として「救急救命処置」を業として行うことが認められています。
ただし、救急救命士の行う「救急救命処置」はあくまでも「診療の補助」であり、原則的には医師の指示に基づいて行われるべきものです。
特に特定行為については医師の具体的な直接指示に基づいて行うことが定められています。つまり、救急救命士には現場にいない医師に的確に傷病者の状態を伝え、指示された処置を的確に実施できるスキルが求められると言うことです。
メディカルコントロールとは
医師に現場の状況を的確に伝えるためには、救急救命士が傷病者の重傷度・緊急度を適切に観察する「眼」や「耳」と、確実な処置ができる「手」を持つことが必要となる。
これらの応急処置の中には医行為に相当するものも含まれており、法的にも医師による指導監督が求められていることになる。
そこで、医師には救急隊員への教育の他に、リアルタイムでの指示・指導・助言が、また事後における救急活動の適否の判断などを行うことが要求される。
このように救急活動全般に対して、これを医学的に俯瞰・監修し、救急活動の「質の管理」を行うシステムを「メディカルコントロール体制」と言う。
プレホスピタルケア(病院前救護)において救急隊員が傷病者に提供する医療サービスの品質管理システムと言うことになる。
メディカルコントロールの柱
メディカルコントロール体制は「指示・指導・助言」、「事後検証」、「再教育」の3つの柱があります。
さらにメディカルコントロールは直接的メディカルコントロールと間接的メディカルコントロールに大別されます。