時事ネタ
<救急搬送>7病院で受け入れ拒否、三重県の78歳女性死亡
三重県伊賀市に住む女性(78)が今年3月、救急搬送を要請した県内外の7病院に「専門医の不在」や「処置多忙」を理由に受け入れを拒否され、2時間以上かかって到着した津市の病院で死亡していたことが3日、分かった。
伊賀市消防本部によると、女性は1人暮らしで、3月19日午後5時20分ごろ、自宅の居間で血を吐いて倒れ、近所の住民が119番。約4分後に救急隊が到着した。
隊員は、消化器系の疾患と判断。この日の救急患者の受け入れを担当する同市内の総合病院に受け入れを打診したが、専門医の不在を理由に断られた。さらに津市や同県鈴鹿市など周辺6病院にも打診したが受け入れられなかった。
救急車が到着してから約70分後、現場から約50キロ離れた津市の病院が受け入れに応じ、約50分かけて搬送したが、病院に到着する直前に心肺停止状態となった。女性は翌日午前8時25分ごろ、出血性ショックのため死亡した。
伊賀市と、隣接する同県名張市では、08年4月から両市内の3総合病院が日替わりで夜間や休日の2次救急患者を受け入れる輪番制を導入。しかし深刻な勤務医不足の状況が続いており、受け入れ不可能だったという。
2010.4.3 毎日新聞からの引用記事
亡くなられた女性のご冥福をお祈りいたします。
またも「受け入れ拒否」と言うタイトルで記事が掲載されました。繰り返される受け入れ先がない問題ですが、私の町でも同じような現実があります。記事の内容からは消化管出血からの出血性ショックにより亡くなったとのことですが、「吐血、下血」は受け入れ先医療機関が決まらないキーワードとなっています。特に深夜になるとかなり厳しいです。
当サイトでも下血し状態の悪い傷病者の受け入れ先がかなり決まらなかった話を紹介させていただいています。この時には他にも受け入れ先が決まらない要因があったのですが…。出血している方は本当に一気に容態が変わることがあるので私たちも気が気ではありません。受け入れ先が決まらないのは患者さんにはもちろんのこと、救急隊にとっても本当に辛いことであっただろうと思います。
それにしても搬送先医療機関が50キロ先とは…もはや緊急車両の意義が問われる気がしてしまいます。どんなに急いでも50キロあれば迅速に搬送することなんてできません。
119番通報する前に1秒だけ考えてほしい、 大切な人がすぐ近くで倒れていないだろうか?今、本当に救急車が必要だろうか?と。
すべては救命のために
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