時事ネタ
救急車「30人待ち」、搬送まで4時間 インフル猛威、札幌で出動急増 緊急性高い患者に影響も
札幌市のインフルエンザ患者数が過去最多を更新する中、同市内で救急車の出動が急増している。昨年12月の救急車の出動件数は1万1690件(速報値)で、同月の過去最多を更新。全ての救急車が出動して「30人待ち」となる例や、医療機関に外来の患者が殺到し、搬送先が見つかるまで4時間以上かかる事態も発生している。緊急性の高い患者の救急搬送に影響が出かねない状況で、市消防局は適切な救急車の利用を呼びかけている。
「高熱で動けない」。札幌市内で今月4日、インフルエンザ疑いの119番が相次いだ。消防局の救急車36台が全て出払い、到着を待つ患者は最大で30人超に。軽症者や家族のいる人に「タクシーで病院へ行く方が早い」と案内することもあったという。
2025.1.14 北海道新聞より引用
北海道新聞が伝えた札幌市の記事です。
搬送先が4時間以上かかるケースもあるとされていますが、このようなことはコロナ禍を経てきた救急隊なら経験済で、正直もう驚きのない記事です。(コロナ禍、100件近くの病院を選定した事案)
医療機関とのトラブルを抱えている傷病者などを扱った際には、4時間も受け入れ先が決まらない。そんなケースはもう何十年も前から既に起こっている問題です。当サイトでもこんな現場の話はいくつも紹介しています。
全ての救急隊が出場して稼働率が100%、直ぐに出場できる救急隊がいなくなってしまった。こんなニュースもよく耳にするようになってしまいました。全国各地の消防本部も危機的な救急稼働率の状況を発信するようにもなってきました。(救急稼働率が100%に近い状況の中、よーいドンで出場できなかった事案)
今回はついに、さらにその先をいく内容です。救急車稼働率は100%となり運用できる隊はゼロになり、順番待ちとなってしまった、待ち人数は30人…。救急隊は緊急事態に駆けつける緊急車両です。順番待ちができる方がそもそも使うべきものなのでしょうか?
軽傷者や家族のいる人にタクシーの方が早いと案内することもあったと言うのもかなり無理があります。そもそも電話では軽傷者であるか否かの判断ができないから、どんなに不適切だと思われる通報内容であっても救急隊が駆けつけていたはずです。
原則、立て付け、守り続けてきたものがガタガタと崩れ始めている。こんな状況で本当に救急車でなければ助けることができない人がどんなことが起こるのでしょうか…。
前回の記事(切れてしまった鎖)では救急隊が駆けつけるまで50分もの時間を要してしまった事案を紹介しました。次回の記事は管轄する町に待機していた救急隊と消防隊がペアで出場した超・緊急事態の話です。それでも助けられなかった辛い現場の話…。
119番通報する前に1秒だけ考えてほしい、 大切な人がすぐ近くで倒れていないだろうか?今、本当に救急車が必要だろうか?と。
すべては救命のために
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