時事ネタ
救急隊員「10時間以上戻れないことも」…長崎市消防局が病院内での休憩を試行、出動増で疲弊の緩和へ
相次ぐ出動で救急隊員が食事や水分をとれない状況を改善しようと、長崎市消防局(管内・長崎、長与、時津3市町)は隊員が搬送先の病院の休憩スペースなどを利用する取り組みを試行的に始めた。出動件数が増加する夏本番に向け、休憩中の隊員に対する市民の理解を得たい考えだ。
同局の指令システム室。「119番消防です。火事ですか、救急ですか」。ヘッドセットを着けた指令課員が通報者に問いかける。「救急」と返答を受けて患者情報や症状を聞き取り、救急車を手配。前方の大画面には15台の救急車の稼働状況が表示されており、別の搬送先から「引揚」中の1台が「出動」に変わった。
「出動して10時間以上、署に戻れないこともあります」と担当者は話す。出動が続けば食事や水分を十分補給できず、トイレ休憩も難しい。市民の目を意識して自動販売機などで飲み物を購入するのもためらわれるという。
管内の出動件数は10年前は年間約2万4千件だったが、コロナ禍を除き増加を続け、一昨年は2万9千件を突破し過去最多を記録。平均して1日に79件、18分に1回出動している計算になる。ただ夏場は熱中症などで増加し、昨年7月は1日平均で100件近い出動があった。
最近は転院搬送時の民間車両の活用や、救急車を呼ぶべきか迷ったときの電話相談窓口「♯7119」の利用も進んでいるが、今年の出動件数は一昨年を上回るペースという。これは地域の高齢化の影響が大きく、昨年も65歳以上の高齢者が搬送者の約7割を占めた。
救急隊の疲弊を緩和するため同局は5月から、患者搬送が多い長崎大学病院、長崎みなとメディカルセンター、日赤長崎原爆病院、済生会長崎病院の4医療機関の協力を得て、院内の売店で購入した軽食や飲み物を休憩スペースなどでとれるようにした。その間は救急車内に休憩スペースを利用中であることを示すパネルを掲示。救急隊は3人一組なので必ず1人以上は車内に待機し出動要請の無線を受けるようにしている。
これから夏本番を迎える。加えて管内は斜面地が多く、狭い道は救急車が入れない。患者を運ぶため坂を上り下りする隊員の負担は大きい。担当者は「救急要請に迅速、適切に対応するためにも隊員の休憩にご理解をいただきたい」と呼びかけている。
2025.6.3 長崎新聞社記事からの引用
長崎新聞からの引用です。10時間以上もの時間、出ずっぱりになっている救急隊に休憩の時間と場所を与えようという試みです。
市民の目を意識して自動販売機での飲み物の購入が躊躇われるというのが辛い…。労働者が休憩や水分補給をしたらいけないのでしょうか?
実際、救急隊が飲み物を購入していると市民からクレームが入って謝罪した、そんな話は時々聞く話です。近年の救急隊のひっ迫の状況が伝えられる中、そんなクレームを耳にすることは減りました。それでも救急隊が休憩している、飲み物を買っている、けしからん、そんなクレームを入れる方はいるのです。
救急隊員たちは人間です。真夏の水分補給なんて猛暑の中では命や安全に関わります。どうか人間としての最低限くらいは認めてもらいたいものです…。
119番通報する前に1秒だけ考えてほしい、 大切な人がすぐ近くで倒れていないだろうか?今、本当に救急車が必要だろうか?と。
すべては救命のために
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