続・体温は26℃、原因は?

ケーススタディ

体温は26℃、原因は?のつづき。

医療機関にて

あれから数日が経ちました。救命センターに傷病者を運び込み引き継いだのはあの時の医師でした。

医師「はい、サイン書きました」
隊長「どうもありがとうございます…そう言えば先生、この前に我々が搬送した低体温だったFさん、その後いかがでしょうか?」
医師「ああ…Fさんですか、経過は良好ですよ」
隊長「そうですか、それは良かった、原因は何だったのでしょうか?」
医師「それがね、糖尿病だったのですよ」
隊長「糖尿病!?あのお嬢さんが?…と言うとⅠ型ですか?」
医師「ええ、突然発症、劇症型と言われるものです」
隊長「なるほど…そう言う事だったのですか、現場では見当も付きませんでした」
医師「それは無理ないですよ」
隊長「では、先生お願いします」
医師「どうも、お疲れ様でした」

帰署途上

隊員「なるほど、劇症型Ⅰ型糖尿病、そんな事はまったく見当も付きませんでした…」
機関員「糖尿病って事はつまり低血糖ってことかい?」
隊員「いや…Ⅰ型を突然発症した訳だからむしろ逆じゃないですか?インシュリンが欠乏する訳だから組織には糖が欠乏して逆に血液は高血糖になるってことですよね?」
隊長「糖尿病性ケトアシドーシスによる昏睡だって、だから意識レベルが300になってあんなに低体温になってしまった訳だ」
機関員「何だっけそれ?難しいな…」
隊員「えっと…つまりですね…帰ってテキストでも開いてみます…」
隊長「そうだな、こういう時に入れる知識は忘れないからな」
機関員「屋外でアル中が低体温なんて時々あるけれども、部屋で低体温になるなんてそうそう出会わないレアケースだよな〜」
隊員「本当ですね、現場って想像できない事が起こるものですね」



Fさんが意識がなくなり極度の低体温になってしまった原因は劇症型Ⅰ型糖尿病でした。今回も皆さまからのとても深い、様々なご意見が寄せられていました。たいへん勉強になりました、ありがとうございました。

119番通報する前に1秒だけ考えてほしい、 大切な人がすぐ近くで倒れていないだろうか?今、本当に救急車が必要だろうか?と。
すべては救命のために
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