消防士死亡、消防本部を家宅捜索

時事ネタ

潜水訓練中の消防士死亡、24時間勤務後に参加 消防本部を家宅捜索

 新潟県柏崎市の海岸でダイバー養成訓練を受けていた市消防署西山分遣所の男性消防士(26)が10月に死亡した事故で、市議会総務常任委員会が8日、調査を始めた。市消防本部は消防士が休憩を含む24時間の勤務後に訓練に参加したことや、9月に健康上の問題で訓練を中止したことなどを報告した。

 消防本部が提出した資料によると、訓練は10月13日午前10時、番神海水浴場で指導者1人を含む4人で始まった。沖合の消波ブロックに向かって深さ1メートル前後を潜行。指導者ら2人が消波ブロックに到着した後、消防士の「助けて」との声が聞こえた。

 事故をめぐり、県警は業務上過失致死容疑で10月23日に消防本部の家宅捜索を行い、関係書類を押収している。このため、この日の委員からの質問に、捜査中を理由に消防側が「詳細はお答えできない」と答える場面が目立った。ただ、独自に調査を行うため、学識経験者ら第三者による「事故調査・再発防止検討委員会」を来週にも発足させる考えを示した。

 その後、指導者らが水深約4メートルの海底に沈んでいた消防士を救出し、心肺蘇生を実施。救急車で長岡市の病院に搬送中に心拍は再開したが、意識は戻らず、14日夜に死亡した。

 また、事故が起きる前の状況も報告された。消防士の業務は12日午前8時半に始まり、午後10時から4時間休憩を取った後、13日午前2時から午前4時まで夜間勤務に就いた。休憩をはさみ、午前6時半から午前8時半まで業務に就き、その後、時間外勤務として訓練に参加していた。

 消防士の潜水訓練は今春に始まったが、7月に訓練後に鼻血が出た。9月には吐き気を催して訓練を中止したことも報告された。

 委員からは「健康状態がすこぶる良いとは言えない状況ではなかったか」との質問もあったが、山崎定義署長は勤務と訓練に関しては「通常の態勢と理解している」と述べ、鼻血や吐き気についても「潜水では時々起こること。体質的な問題を発見することも訓練の目的で、問題があれば資格取得を断念させる」と説明した。

 小林晴久消防長も閉会後、報道陣の取材に対し、基本的に健康状態は問題がなかったとの認識を示した。

2023年11月9日、朝日新聞デジタルより引用



新潟県柏崎市で起こった消防職員の訓練中の死亡事故のその後を伝える報道です。亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。

県警が消防本部を家宅捜索したというのはなかなか衝撃の記事です。さらに、学識経験者ら第三者による「事故調査・再発防止検討委員会」を立ち上げる、ここにも注目です。

消防の世界はそういうものだ、それが伝統だ。当然、そんな中で成果を出してきた人のポジションが上がっていきます。年功序列、階級社会の世界で、これまでの成果を否定できるでしょうか。

明け番の朝から訓練する。24時間ほぼ休憩なしで、そのまま昼過ぎまで事務処理する。今もそれが普通です。

あれ?これまでやり続けてきた普通って、実は異常なのではないか?

審判する人が内部の人間では、何が正常で、何が異常か判断がつかない、これは必然なのでは?

第三者が入ることで我々の普通は普通じゃなかった、そんな審判が下ることもあるのか?

でも、もし下ってしまったのならどうすれば良いの?今の当たり前を否定されたら、少なくとも、今の救急隊を取り巻く状況に対応できるとは、とても思えない…。



過酷な勤務も…消防長「やむを得ない…」

山﨑署長は「消防業務の性質上、あらかじめ割り振られている勤務時間内に全ての訓練を行うことは困難。訓練は時間外勤務として実施されることが多くなっている」と説明。

「夜勤明けで訓練を行ったこと自体が問題だという認識は?」との問いに対し、小林晴久消防長は「その部分に関しては、やむを得ない部分だと考えている」と答えた。

NIGATA NEWS より一部引用


同じ事故を伝える地元記事に署長、消防長のコメントが記載されていました。ずっとこれでやってきたのだから…本音が滲み出ている。これはこれで、分からないでもない…。そんな風に感じてしまう自分もいて…。

多分、人間は良くも悪くも環境に適応する能力があるのだと思います。異常な中に居続けると、それが当たり前になって気づかなくなってしまうのです。

内にいたなら分からない。第三者、外部の審判、どんな結論が出るのでしょうか?

119番通報する前に1秒だけ考えてほしい、 大切な人がすぐ近くで倒れていないだろうか?今、本当に救急車が必要だろうか?と。
すべては救命のために
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