甲賀消防幹部ら3人のハラスメント認定 第三者委最終答申

時事ネタ

 甲賀広域行政組合消防本部(滋賀県甲賀市)内のハラスメントを調査していた第三者委員会は15日、幹部ら3人のハラスメント行為を認定し、厳正な処分を求める最終答申を公表した。「パワーハラスメントが蔓延(まんえん)する風土と決別する必要がある」として、新たな内部統制の構築が急務だと指摘した。またハラスメントの認定に至らなかった25人についても組合の懲戒審査委員会での調査を求めた。

 第三者委は、消防本部が2021年に新型コロナウイルスのワクチン接種を辞退した警防課職員を廊下脇で勤務させていた問題の発覚を受け、昨年7月に設置された。同12月に職員への対応は「違法で不当、不適切だった」とする中間報告書をまとめていた。並行して実施した全職員と退職者計208人へのアンケートでは、68人がハラスメント被害を申告。今年1月から当事者への聞き取り調査を進めていた。

 最終答申によると、第三者委は被害を申告した職員ら57人に聞き取りを実施。加害行為を指摘された28人のうち、複数の被害申告があり、行為に継続性があるなどと判断した6人に聴取した。その上で第三者の情報などから、幹部ら3人のハラスメント行為を認定した。

 3人については、延べ64人から計274件の被害申告があり、暴力行為や暴言、一部職員に意図的に決裁を下ろさない、始末書の提出や休日出勤を強要するなどの行為があったとした。問題の背景には、消防長の意向にそんたくする人間関係のゆがみがあると指摘。過度な注意や叱責が常態化し、職員間で上司の顔色をうかがい、積極的な現場活動ができなくなっているとした。

 また、内部のハラスメント相談窓口が機能不全の状態で、秘匿情報の上席への公開が公然化しており、報復とも言える叱責行為につながっていると問題視。秘密厳守が徹底された外部相談窓口の早急な設置を求めた。

 本部では今年度内に20人が依願退職する異例の事態となっており、改善策を講じなければ「地域救急医療体制の崩壊といった危機事態につながりかねない」として、「職員の絶望感を取り除き、退職者を止めるための方策を最優先すべきだ」と警鐘を鳴らした。

 また、ワクチン接種を辞退した警防課職員への対応に関して「クラスターを出すことは許されないという重圧があったと推察されるが、職員を好奇の目にさらすような尋常でない措置は正当化されない」と改めて指弾。対応に関わった消防長ら関係者への厳正な処分を求めた

 組合は今月中に甲賀、湖南両市の副市長と人事課長、滋賀弁護士会の推薦を受けた弁護士の計5人で構成する審査委員会を設置し、関係者の処分を決める。

 第三者委の新川達郎委員長から最終答申を受け取った同組合管理者の生田邦夫・湖南市長は「真摯(しんし)に受け止め、職員におわび申し上げる。新たな組織体制を検討し、市民から信頼を得られるように取り組んでいく」と話した。本田修二消防長は「警防課職員に寄り添い、十分な対話を重ねながらのケアが必要だった。(ハラスメントの認定に関して)組織を預かる立場として、大いに反省すべきだと重く受け止めている」などと謝罪した。

2024.3.15 毎日新聞記事より引用


甲賀消防本部のパワハラ問題は第三者委員会が幹部3人のパワハラを認定し、関わった消防長ら関係者への厳正な処分を求める。とてもまっとうな結論が出ました。

トップダウンの組織で、複数の幹部のパワハラが認定され、ハラスメントが蔓延している組織風土だと厳しく指弾された事案です。この幹部たちは組織を去るのか?果たして残るのか?今後どんな処分が出るかが注目です。

仮に処分後も当事者たちが、同じ幹部のポジションで組織に残るのなら、自身がひき起こした不祥事をどうやって自身で解決するのか、相当の難題です。

記事では内部の相談窓口の機能不全、秘密厳守が徹底された外部相談窓口の設置が求められたとあります。当事者が幹部のままでそんな仕事が果たしてできるのか?

今月中に出る審査委員会はどんな処分を出すのでしょうか?(トップとナンバー2の処分内容の記事)この問題、まだまだ根が深そうです。

119番通報する前に1秒だけ考えてほしい、 大切な人がすぐ近くで倒れていないだろうか?今、本当に救急車が必要だろうか?と。
すべては救命のために
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