救急車呼んだが入院は不要→7700円を徴収へ 三重・松阪の3病院

時事ネタ

 救急医療を担う三重県松阪市内の3基幹病院は、救急搬送された患者のうち、入院に至らなかった軽症患者から保険適用外の「選定療養費」として1人(件)につき7700円(税込み)を6月1日から徴収する。救急車を安易に利用する「コンビニ受診」を減らすのが目的だ。

 3基幹病院は、済生会松阪総合病院(朝日町一区)、松阪中央総合病院(川井町)、松阪市民病院(殿町)。選定療養費は、地域医療を支える200床以上の大きな病院を、かかりつけ医療機関の紹介状なしで受診した際に徴収される。医療体制を維持するために国が義務化している。

 これまでも3病院は通常の外来診療では、7700円の選定療養費を徴収している。今回、救急搬送患者にも対象を広げたのは、救急医療機関の受診の適正化を促す狙いがある。

 多気町や明和町を含む松阪地区の救急出動件数は右肩上がりで増加し、2023年は過去最多の1万6180件に上った。一方、松阪市によると、22年に松阪地区(人口19万5910人)で実際に救急搬送された1万4974人のうち、56・6%が入院を必要としない軽症者だった。

 また、22年の松阪地区の救急出動件数は1万5539回(人口1万人あたり793・2回)。人口19万6461人の鈴鹿市消防本部1万755回(同547・4回)や、同19万3132人の埼玉県熊谷市消防本部1万658回(同551・9回)など、全国同規模の自治体消防組織と比べても突出して多い。

「緊急の時には迷わず119番してほしい」

 3基幹病院と松阪市、松阪地区広域消防組合、松阪地区医師会などの関係機関は、「このままの状態では助かるはずの命が助からなくなる」として21年12月から、救急医療体制のあり方について協議を重ねてきた。昨年末、選定療養費を救急搬送時にも導入することで、119番通報の適正利用を促す方針を固めた。4月から医師の働き方改革が始まるなど、医療関係者の負担軽減も求められることも背景にあった。

 ただ、救急車を利用して入院に至らなかったとしても、紹介状持参者や公費負担医療制度の対象者、医師が必要と判断した場合などは徴収しない。

 松阪市の担当者は「救急搬送の有料化ではない。緊急の時には迷わず119番してほしい」と話している。その一方で、救急車を呼ぶほどでないケースについては、かかりつけ医への相談や、松阪地区広域消防組合が運用する「救急相談ダイヤル24」(0120・4199・17)、県救急医療情報センター(059・229・1199)の利用を呼びかけている。

 入院に至らなかった救急搬送患者に選定療養費を徴収しているのは、県内では伊勢赤十字病院(伊勢市)が2008年から実施。愛知県でも半田市立半田病院が11年から、豊川市民病院が15年から導入するなどしている。

2024年1月30日 朝日新聞デジタルより引用




三重県松坂市の3基幹病院が選定療養費の徴収対象を今年の6月から救急搬送患者にも広げる。記事にもある通り、「救急車の有料化ではない」とされているのですが、救急車の実質有料化であると賛否両論、様々なメディアが取り上げています。

どうもマスコミの取り上げ方は救急車の有料化、7700円は適正か否か、そんな論点になっているように感じます。ただ、救急車の使い方について、少しでも取り上げられ賛否が起こるのは歓迎です。救急車の使い方について1秒だけでも考えてもらえるきっかけになれば良いのですが…。

選定療養費は、2016年4月の健康保険法改正により、200床以上の地域医療支援病院は他の医療機関等からの紹介状を持たない初診の方から、診療費の他に7,000円以上の金額を徴収することが義務化されました。

大学病院などの大病院は知名度が高く、高度な医療処置ができるから安心、そんな認識を持っている方がとても多いです。近くのクリニックなどかかりつけを持たず、いきなりこういった病院を受診したらどうなるでしょうか?大病院にばかり患者が集中してしまいます。

近所のクリニックは夕方で終わってしまう、休日はやっていない、そんな理由からわざわざ深夜に大病院を受診する、こんなコンビニ受診を抑止するために導入された経過がありました。法では7000円以上の金額が義務化されています、10000万円以上の選定療養費を徴収する大病院もあります。

記事にもある通り、入院に至らなかった救急搬送患者などから選定療養費を徴収している病院は、義務化する前から既にあるのです。今回は3病院が一斉に救急搬送患者からも選定療養費を徴収すると言うのが注目されるきっかけになったのでしょうか?

そういえば…選定療養費が義務化した頃だったか?選定療養費の徴収を巡って、は?だったら他の病院に行く!と病院の入口から要請された事案がありました。次回の更新は、深夜の大病院の受付で選定療養費が納得できないと激怒している人の下に駆け付けた時のお話です。

119番通報する前に1秒だけ考えてほしい、 大切な人がすぐ近くで倒れていないだろうか?今、本当に救急車が必要だろうか?と。
すべては救命のために
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