救急車の到着20年で3分遅く…

時事ネタ

救急車の現場到着が年々、遅くなっている。通報を受けてからの所要時間は平均9分半と、この20年で約3分長くなった。通報件数の増加が要因で、津市が救急車到着までの救急活動を消防団に担ってもらう取り組みを始めるなど、各地の消防が対応を迫られている。


導入の背景には、救急車の現場到着までの時間が延びている現状がある。総務省消防庁によると、通報からの平均所要時間は01年は6分12秒だったが、21年は9分24秒になった。原因は119番受理件数の増加で、22年の救急車出動件数は722万9838件(速報値)と前年より約103万件増え、過去最多となった。

元記事はこちら2023年11月19日読売新聞記事より一部引用



この20年で救急隊の到着時間が3分遅くなったと伝える記事です。

通報から現場到着までの平均所要時間は2001年は6分21秒であったのに、2021年には9分24秒と約3分遅くなった。こう聞いてもこの重要度がどうもイメージできません。

では、こう表現したのならどうでしょうか?この20年間で救急車が到着までに要する時間は1.5倍に改悪してしまった。

381秒×1.48≒564秒

この20年間でスマートフォン普及、119番通報のシステムの進歩、救急車の性能向上、デジタル機器などの技術革新、全国の消防本部での救急車適正利用の広報活動、救急車の増設、…にも関わらずです。

様々な要因はありますが、大きな要因は需要に対しての供給が追い付いていないから。増えた要請数に対しての救急車が足りないのです。

当サイトでずっと伝えてきているとおり、地域によっては1日に半分以上もの時間、待機していない救急隊があります。ひどい日には1日20時間以上もの時間、出ずっぱりになっています。

つまり、この救急隊の受け持ち地域に住む人たちは、緊急事態の際には1日に半分以上もの時間、直近の救急隊に駆け付けてはもらえないのです。

「直近隊が待機していないことが常態化している町が増え続けている」そう捉えることもできる記事です。

このサイトをご覧の方は、ぜひ近くの消防署の前を通りかかる時に1秒だけ気にかけてみてください。そこに白い車があるかどうかを。

みなさんが本当に少しだけでも、このままではいけない。そんな風に思ってくれるのなら改悪し続けるこの問題が改善に向かうのではないか、そんなかすかな希望を持って…こんなサイトを20年近く続けています。

こんなことでは誰も助けられないじゃないか…。年々改悪する状況の中で、絶望しそうな気持ちをかすかな希望で打ち消して…、今日も迅速とは程遠い、遥か遠くの町まで向かいます。


119番通報する前に1秒だけ考えてほしい、 大切な人がすぐ近くで倒れていないだろうか?今、本当に救急車が必要だろうか?と。
すべては救命のために
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