オメエぶっ殺すぞ!

溜息の現場

当サイトでは数々の酔っ払いに関わる救急現場の話を紹介させていただいてきました。酔っ払い方も人それぞれ様々です。

陽気になりとにかく楽しくなる笑い上戸な人、悲しくなり泣いてしまう泣き上戸な人、そして何より周りを困らせるのが攻撃的になる怒り上戸な人、さらには深い眠りに入ってしまいどんなに叩こうが揺すろうが起きなくなってしまう人、眠り上戸?そんな言葉はありませんね…。

このサイトをご覧の皆さんもこのような酒癖を持つ知人の一人や二人がいるのではないでしょうか?

では「どのタイプに困らされたか?」と問われれば怒り上戸のタイプではないでしょうか?何かと突っかかってきて暴言を吐いたり手を出したり…私たち救急隊を困らせる酩酊者もやはりこのタイプなのです。酔うと日ごろのストレスを他人にぶつけてしまう様なこのタイプとは一緒に飲みたくないものです。


出場指令

これから深夜にさしかかろうという時間帯、消防署に出場ベルが鳴り響きました。

「救急隊出場、○町○丁目…○通り歩道に怪我人、男性は倒れており頭部からの出血があるとのこと、通報は通行人のWさん」

との指令に救急隊は出場しました。指令先の○町は飲食店が多いちょっとした繁華街からすぐ近くです。この時間に路上に倒れているとなると酔っ払いである可能性はかなり高いです。


出場途上

緊急走行する救急車内、隊員は通報電話番号に連絡を取りました。
(119コールバック)

隊員「もしもし、通報していただいたWさんですね?救急隊の者です」
Wさん「どうも、よろしくお願いします」
隊員「倒れている方のご様子を教えていただきたいのです、Wさんのお知り合いですか?」
Wさん「いいえ、私がたまたま通りかかったら男性が倒れていたので…」
隊員「そうですか、その方は意識はありますか?頭から出血があるとの事でしたが手当てはされていますか?」
Wさん「意識はあります、手当てはちょっと…」
隊員「お話はできる状態なのですね?ひょっとして酔っている様子がありますか?」
Wさん「ええ…私が大丈夫ですかと声を掛けたのですが…何かうるせえとかそんな事を言われてしまって…頭から出血しているみたいですよ、もう声を掛けるのはちょっと…」
隊員「分かりました、あと数分でそちらに到着できると思いますのでお待ちください、そちらでもう少しお話を聞かせてください」

隊員は電話を切り収集した内容を隊長と機関員に説明しました。
機関員「やれやれ…また酔っ払いか、あの辺りの店で飲んだ帰りかな?」
隊員「ええ、きっとそうですよ」

現場到着

指令先の歩道には男性が立っており手を振っていました。その先には男性がうつ伏せになり倒れていました。あの手を振っているあの男性がWさんでしょう。

隊長「どうも、Wさんですね?ご協力ありがとうございます」
Wさん「どうも、あの人なんですけどね…大分酔っているみたいなのですけど…」
隊長「少し状況を教えていただけますか?」

隊長はWさんから状況の聴取、隊員と機関員は傷病者の下へと向かいました。

傷病者接触

隊員「こんばんは、ご主人さん、ご主人さん!どうされましたか?」

ムクリと顔を上げた男性、顔は血に染まっていました。

男性「何だオメエぶっ殺すぞ!」


初対面の人と始めて交わす言葉にはかなり気を使うものです。「はじめまして○と申します…」自己紹介から?「こんにちは…」挨拶から?意外と選択肢は無いような気がします。

「ぶっ殺すぞ」は選択肢になさ過ぎて意表をつかれました。ただこのひと言で一瞬で判断がついたことがありました。…はぁぁ、こりゃこの活動一筋縄ではいかないぞ…。

隊員「殺す?…そんなこと仰らずに、お怪我をされているみたいですが大丈夫ですか?」
男性「うるせえ、ほっとけよバカ野郎!」

そう言うと男性はまた路上に倒れ込んだのでした。傷病者は50代くらい男性、明らかに頭部から出血しているようですが部位までは確認できませんでした。

怪我の部位を確認し処置、それからバイタルを測定させてもらえないことには活動は前に進みません。しかしそれが簡単な相手ではないことは明らかです。

酔うと攻撃的になる方を搬送するなんてことは日常茶飯事、こんな時はどうしたら良いのか、テキストには一切出てこない救急隊員たちが現場でいつの間にか学んでいくことを生かさなければ…。

さてと、こんな時は…

隊員「ご主人、まあまあそんな事は仰らずに、お怪我したところを見せてくださいよ、ちょっとお体に触りますよ」
傷病者「うるせえ!オラァ!」
隊員「おっと」

腕を跳ねのけた傷病者、その腕をスルリとかわす隊員、いつ手が出てきても良いように傷病者の斜めからそ~っと手を伸ばしたからです。ふぅ、こりゃダメだ…下手に近づくと手が出てくるぞ…。この様子を見ていた隊長から声がかかります。

隊長「おい、もういい!こっちに来いよ!」
隊長「はい、了解…」

傷病者から離れること約10m、さてどうしたものか…呆然とする救急隊員たち。

Wさん「あの~、私はもうよいでしょうか?」
隊長「ああ!すみません、ご協力ありがとうございました、あとは私たちが対応しますから、本当に助かりました」
Wさん「いいえ、たいへんですね?」
隊長「あは…いや、まあ…そうですね…」

通報者のWさんは帰っていきました。こんな現場を数多く経てきて学んだことは諦めること、たった3人の救急隊だけで身の危険を冒してまで活動に当たることなんてありません。

隊長「ひとまず本部に連絡しようか、この活動は長時間を要する見込みって、警察官を要請しよう」
機関員「了解、連絡を入れてきます」

下手に接触すれば暴力を受ける可能性がある。これ以上、私たちだけで活動することはできないと現場に警察官を要請しました。警察官が到着するまでの間、私たちは傷病者を遠くから通りかかる自転車などとぶつからないように見守ることにしました。


警察官到着

要請から10分ほどして警察官が駆けつけました。

隊長「どうも、よろしくお願いします」
警察官「どうも、ああ…あちらの方ですか?」
隊長「ええ、私たちが声をかけても手が出てきてしまって…お願いします」
警察官「はあ…分かりました」

改めて警察官と共に傷病者に声をかけます。

隊長「ご主人、どうされました?ねえ、ご主人さん!」
傷病者「うう、う~ん…」

眠り込んでいる様子の傷病者

警察官「旦那さん、ダメだよ!こんなところで寝ちゃ!ねえ!」
傷病者「うるせえってんだよ!」
警察官「おはようございます旦那さん、ダメですよこんなところで寝ていたら…お怪我をされているじゃないですか」
傷病者「うるせえってんだよ、オレが何したって言うんだ!ぶっ殺すぞ!」
警察官「殺さない、殺さないよ、こんなところで寝ちゃダメなんだよお父さん」

さすが警察官、酔っ払いの扱い方の慣れたこと…こちらもプロです。この様子を見ていたもう一人の警察官が呟きました。

警察官「はぁぁ…またか…」
隊長「ご存知の方ですか?」
警察官「ええ、まあ…うちの交番の者はみんな知っていますよ、もうこれで何度目だろう?いつも酔ってはこの辺りの路上で寝込んでいるんですよ、この前なんて車道の真ん中でですよ…その時も怪我をしていて…その時にも救急隊の方にはお世話になっているはずですよ」
隊長「そうでしたか…私たちはこの町の救急隊ではないもので…」

少しの間、警察官の説得が続きました。はじめは「殺すぞ」やら「バカ野郎」などなどの暴言を吐いていた傷病者も落ち着いた口調の警察官の対応に徐々に落ち着いて話を聞くようになってきました。

警察官「旦那さん、お怪我しているから救急隊に手当てしてもらおうよ、ねえ?」
傷病者「うるせえなぁ、もう勝手にしろよ」

よしよし、そろそろいけそうじゃないか。手が出てくる様子もなくなってきたので警察官と共に救急車に車内収容しました。

車内収容

明るい救急車であれば怪我の部位など詳細な観察ができます。警察官は傷病者の身元を確認していました。と言っても傷病者の持ち物などを詳細に調べることなどしなくても…

警察官「なあ、Fさん、Fさんは○町に住んでいるんだったよな?今日は奥さんは家にいるのかい?」
Fさん「いねえよ、アイツは仕事に行っているはずだ」

何度も保護している方です。警察官は住所や家族構成まで把握しているのでした。傷病者は50代の男性でFさん、この町内に住んでおり奥さんと一緒に住んでいるそうです。

過去にも何度も酔っ払っては路上に寝込むことがあり、警察官に自宅に送り届けてもらったことも度々、怪我をしており救急車で医療機関に搬送されたことも何度かあったそうです。

少し落ち着いたFさんは救急車内のストレッチャー上に横たわりバイタルも測定することができました。さあ、あとは創の手当てです。

隊員「Fさん、顔を拭きますよ、ここが痛みますか?」
Fさん「痛たたたた!痛てえな!コラ!」
隊員「そりゃ痛いですよ、ほらこんなに血が付いている、結構切れていますよ、ほら?」
Fさん「本当だな」
隊長「Fさん、痛いでしょ?多分縫わないといけないくらい切れているよ」
Fさん「別に痛くねえよ」
隊長「いやいや、そりゃ今はお酒が入っているからですよ、病院で診てもらわないとだめだよ」
Fさん「痛くないって言っているだろう!お前らが触ったから痛かったんじゃねえか!大丈夫だ、帰る!」
隊長「そんなこと仰らずに、ねえ?」
Fさん「うるせえよコラ!テメエ、帰るって言っているだろう!」

自宅に帰ると訴えるFさん、再び興奮し私たちに手を出そうとしました。

警察官「ほら!何やってるんだよFさん、手を出すんじゃないよ!」
Fさん「何だとコラ!テメエらオレが何したって言うんだよ、ぶっ殺すぞ!」

暴言を吐き暴れるFさん、救急車の後部座席には若い警察官2名が乗り込み押さえ込んでいました。車外に出た隊長と隊員、外で待機しているベテランの警察官に状況を説明します。

隊長「怪我はね…縫合の必要があると思います、ただ創よりも心配なのは頭の中ですね…万が一出血などがあると…これじゃあ保護はできませんよね?」
警察官「そうですね…怪我をしているとなると…治療を受けてからなら保護できますが、警察署で容態が変わったなんてことになったら大変ですからね」

ただこのまま選定しても受け入れ先は決まらないでしょう。診察室でも暴れたり暴言を吐くことが容易に予想できます。処置をしてくれる医師や看護師に手を出しかねない状況です。

隊長とベテラン警察官は協議し、搬送の際には警察官の同乗、医療機関での治療にも救急隊と警察官とで立ち会うこととしました。

隊長とベテラン警察官がどのように対応するか相談している間にも救急車内では暴れようとするFさんを若い警察官が2人かかりで取り押さえていました。体力のある警察官に2人かかりで押さえつけられれば酔っ払いなど身動きが取れる訳がありません。Fさんも疲れてきたようで次第に大人しくなってきました。

若い警察官「ねえ、Fさん、別に私たちも手荒なことなんてしないよ、救急車は具合の悪い人が乗るものなのだから暴れたりしないでよ、ねえ?」
Fさん「分かったよ…」
若い警察官「それじゃあもう抑えたりしないから、ねえ?」
Fさん「ああ…」
若い警察官「病院で治療を受けましょうよ、救急車で搬送してもらえるから」
Fさん「ああ…」

疲れたFさんは意外と素直に医療機関にいくことを了承しました。とは言え…やっぱりなかなか受け入れ先はきまりませんでした…。5件いや6件目の選定だったでしょうか、治療が終わるまで警察官も救急隊もしっかりと立ち会ってくれることを条件に受け入れ先が決定しました。よし!やっと受け入れ先が決まった。

この頃には…


現場出発

若い警察官が救急車に同乗、あとの警察官は後からパトカーで搬送先医療機関に駆けつけてくれることとなりました。

若い警察官「はぁぁ…ったく、いい気なもんですよね」
隊長「本当ですね」
Fさん「zzz…ぐぅぅ~~…zzz」

Fさんはストレッチャーの上で気持ちよさそうにいびいをかいて熟睡していました。

若い警察官「もう何度目になるか分かりませんよ、いつも道で寝ているんです、その度ですよ、暴れてみたり暴言吐いてみたり…」

治療の最中も熟睡してくれていれば良いのだけれど…。


医療機関到着

救急隊がFさんに接触してから警察官を要請し、さらに受け入れ先決定まで時間を要しています。大分時間が経ち、搬送中に熟睡、少しは酔いも覚めて大人しく治療を受けて帰ってくれるのではないだろうか?そんな期待を見事に打ち砕くFさん…

Fさん「痛てえな!痛てえって言ってんだろ!コラ!」
看護師「ダメよ!ちょっと動かないでFさん、先生が消毒してくれているんだから」
Fさん「痛てえって言っているだろう!ぶっ殺すぞ!」
警察官「殺さないよ、治療してもらっているんだから大人しくしていないと」

医療機関の処置台の上、やっぱり暴れるFさんを警察官と救急隊とで抑えて創の消毒は終わりました。

医師「ふう…これ以上は無理ですね、ねえFさん、どうする?消毒はしたけどその創は縫わないとダメですよ、でももう嫌なんでしょ?」
Fさん「ああ、もういい!帰る!」

痛い思いをしてまたも興奮しているFさん、医師の治療を拒否したのでした。

医師「頭の中に出血などがないか検査もした方が良いとは思うのですがそれはどうしますか?」
Fさん「帰るって言っているだろう!ほっとけよバカ野郎!」
警察官「なあ、Fさん、こんな時間に治療してくれている先生にあんたなんてこと言うんだよ」
Fさん「お前らが勝手に連れてきたんだろう」
警察官「分かったよ…ほら、消毒はしてもらったから帰ろう、ねえ」
Fさん「ああ…」

帰るということで納得したのか処置台に座ったFさん、

看護師「それではFさん、今日はもうこんな深夜ですから一時金を置いていってください」
Fさん「一時金?金を取るのか?」
看護師「そうですよ、治療を受けたのですから、ただ今は深夜だから後日に清算になります、保険証などお持ちになって後日また来てください、余った分はお返ししますから」

支払いに関してまたトラブルになるかと思ったらこれに関してはまたも意外と素直に支払いをするFさんなのでした。領収書を貰ったFさん、これでやっと終わる…。

警察官「それじゃあFさん帰ろうか」
Fさん「嫌だ、オレは眠い、ここで寝る」

終わらない…のか…。

警察官「は?あんた何言っているの?」
Fさん「眠いんだ、いいからお前らは帰れよ」
隊長「Fさん、そこは治療をする場所なんだからそんなところで寝ちゃだめですよ」
Fさん「うるせえよ!金は払ったんだからほっとけよ」

いつもこの手の酩酊者を扱う時に思うのですが、本当にまだ酔っているのか疑問です。少なくとも数時間もの間に酒は入っておらず騒ぎ続けて…本当にまだ訳が分からないほどに酔っているの?何か意地になっていない?そんな風に思うのです。

さっきまで帰ると言っていたFさんは今度は帰らないと処置台の上で寝込み始めたのでした。

隊長「ねえ、Fさん、そんな事を仰らずに、ここは患者さんを治療するところなのですよ、あなたがここにいたら他の患者さんの治療が出来ないじゃないですか、他にも治療を待っている患者さんがいるのですよ、ねえ?」
警察官「さっきは帰るって言っていたじゃないですか、病院に迷惑をかけないでよ」
Fさん「うるせえ、ほっとけ!お前らは帰ってよし、オレはここで寝る!」

腕組みをして遠巻きに見ている医師と看護師、

隊長「先生、すみません、ご迷惑をかけて」
医師「いやぁ大変だね」

余裕の医師と看護師、こんな時は救急隊と警察官でしっかり対応しますと約束して搬送してきています。

この深夜、診察を待っている患者さんはいませんでした。ただ、今、急患が入ったならどうなるでしょうか?診察室はFさんに占領されているのです、他の救急隊から搬送連絡がきてもきっと断らざるを得ないでしょう。

確かにこんな方を医師と看護師だけで対応できるはずがありません。警察官と救急隊とで散々説得を続けましたがFさんは処置台の上でふてぶてしく一歩も動かないのでした。

ベテラン警察官「ねえ、Fさん、これ以上迷惑をかけるなら力ずくで連れて行くけどそんな事はやりたくないんだ、パトカーで送っていくから帰ろう」
Fさん「上等だよ!お前らにそんな権限があるのか?やってみろよコラ!」
ベテラン警察官「権限ならあるよ…やれるけどそんなことはしたくないからこうやって言っているの?どうするの?帰らないの?」
Fさん「ふん…」
ベテラン警察官「仕方ないな…」
若い警察官「はい」

診察室を出て行った若い警察官、あれをやるのか…。

隊長「ねえFさん、悪いことは言わない、パトカーで家に送ってくれるって言っているんだから帰ろう、ねえ?」
隊員「そうですよFさん、こんなに優しいおまわりさんはなかなかいませんよ、送ってもらって家でぐっすり寝たらいいじゃないですか、ねえ?」
Fさん「うるせえんだよ!」

結局、最後の最後まで話にならないFさんなのでした。若い警察官が持ってきたのは布製の拘束具、ビニール製のシートのような物も見たことがあります。精神状態が不安定で自傷他害危険がある方を連れて行く際などに使用される物のようで、そんな時はこの拘束具にグルグル巻きにされてパトカーで搬送されることになります。

ベテラン警察官「ねえ、最後の最後だよFさん、帰ろう?」
Fさん「だから帰らないって言っているだろう」
ベテラン警察官「じゃあいいね?さっきも言ったけどこれ以上、病院に迷惑かけるなら力ずくで連れ出すから」
Fさん「ああ!やれるもんならやってみろ、バカ野郎!」

警察官に抱え上げられたFさん

Fさん「この野郎!ふざけるな!」

振り払おうとした手が警察官のメガネを弾き飛ばしました。

警察官「手ぇ出してんじゃねえよ!コラぁ~!」

先ほどまで手荒なことはしたくないと優しい対応をしていた警察官たちでしたがどうやらスイッチが入ったようです。暴れまくるFさん、飛び交う怒号、汚い言葉もそれはそれは飛び交いました。

本気の警察官を相手に50代の酔っ払いが対抗できるはずなんてありません。あっという間にぐるぐる巻きにされたFさんは身動きひとつとれなくなりました。診察室から運び出されるFさん、すがり付くような目でこの様子を見ている私たちにこんな事を言ったのでした。

Fさん「なあ、オレは手なんてだしてないよな?なあ?なぁ?」

それに答える間もなくFさんはパトカーの後部座席に乗せられ連れて行かれました。いつ終わるのだろうか?果てしなく思われた活動はあっという間に終了しました。

「急性アルコール中毒 軽症」

あれ?頭部の怪我は?

帰署途上

隊員「あれって公務執行妨害ですかね?」
隊長「それなら手錠をかけるんじゃないのか?多分、公務執行妨害にはしないんじゃないかな?」
隊員「でも警察官のメガネを飛ばしていたじゃないですか、あれでも充分ですよね?」
隊長「ああ、優しいよな?逮捕されてもおかしくないよな?あまりに酷い酔っ払いはその気になれば逮捕できる法律もあるみたいだぞ」
機関員「逮捕すりゃいいんですよ、あれはどう考えても悪質ですよ、酔っていたからで済まされることじゃないって」
隊員「それにしてもFさんみたいに飲むと攻撃的になる人って本当に困りものですね…」
機関員「本当…何でもっと楽しく飲めないものかね?」
隊員「オレはあのタイプとは絶対に飲みたくないですよ、あそこまではいかなくてもいますよね、酒が入ると言わなくて良いことを言い出す人…」
隊長「だから一人で飲んでいたんじゃないのか?あれじゃ誰も一緒に飲んでくれないだろう」
機関員「寂しいのかもね…」

酔うと攻撃的になる人、暴言を吐く、さらに暴力に走る、本当に対応に困ります。Fさんは家まで送ってもらったのか?朝まで留置所で過ごしたのか?家族が迎えに来たのか?はたまた逮捕されたのか?

あっという間に連れて行かれたためその後は全く分かりません。このように様々な酔っ払いの中でも一番困るのは攻撃的なタイプです。

あと困るタイプと言えば…寝込んで全く起きなくなるタイプでしょうか。起きないだけならまだ良いのですが、熟睡の余り大人なのに…そんな話は裸足の救急隊員と言うお話で…


【参考】酒に酔って公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律-ウィキペディア

救急隊とプライバシーの問題
@paramedic119 フォローお願いします。