YEAR

2020年

殺してくれないか

溜息の救急現場 救急隊は緊急の方の下に駆けつけ、人命のために全力を注ぐことが使命です。救急隊員たちはそのために厳しい選抜試験や研修、国家試験などを経て救急車で日夜戦っています。そんな努力も虚しく、この救急車内でいったいどれだけの方が亡くなっていったことでしょうか。 泣き叫ぶ家族の願いも虚しくいっこう […]

父も歩けるまで回復しました

救急救命士のこぼれ話 特に新人の消防士にとって多大な影響を与えるのが隊長です。消防署で右も左も分からない状態の時に、はじめて組んだ隊長や先輩は将来進むべき道すら決めることになるほどに多大な影響を与えることが多いです。 私は駆け出しの救急隊員の時、尊敬できる救急隊長の下で仕事をさせていただいたことで、 […]

喧嘩をやめて~二人を止めて~

仰天の救急現場 救急隊の活動に対して好意的に応援してくれている住民の方がたくさんいる一方で、お前らなんて税金泥棒、ただ邪魔なだけだ、そんな言葉を浴びせてくる人もいます…。 私たちも人間で、一生懸命やっているのになんでそんな事を言われなくちゃいけないんだと思うこともありますが、この時は特に最悪…。まさ […]

女に手を挙げる男なんてのは

溜息の救急現場 これまでは男性ばかりであった職場にも、活躍する女性がどんどん増えてきました。そんな職場に消防署も含まれるのでしょう。まさに力仕事である災害現場に出場する女性も増えてきました。 私の勤務する消防署ではすでに女性の救急隊員は当たり前に活躍しており、さらに女性のポンプ隊員も活躍しています。 […]

インフルエンザのやせ型男性、実は…

ケーススタディ 救急車の適正利用が課題である大きな要因は、全国的にも年々増え続けている救急出場件数、その中でも安定して推移しているのは搬送者に占める軽症者の割合です。 軽傷とは入院の必要がないと判断される傷病者のこと。この割合はずっと50%程度で推移しています。10件の出場で5~6人はその日のうちに […]

最近のアルコール系現場はストロング系

仰天の救急現場 当サイトで数々紹介しているアルコールに関わるトラブルを抱えた人たちの話。アルコール中毒、アルコール依存症、酩酊などお酒を起因とした事案の数々、このような人たちに最近感じる傾向です。 出場指令 そろそろ正午になろうかと言う温かい日差しの中、消防署に出場指令が鳴り響きました。 「救急隊出 […]

続・慢性膵炎、病院に行く目的は?

ケーススタディ この記事は慢性膵炎、病院に行く目的は?の回答編になります。 Eさん「いや…この痛みをどうにかしてもらえればそれでいいんだ」隊長「それは…お薬を使ってほしいってことですか?」Eさん「ああ、ソセゴンを打ってくれればそれでいい」 やっぱりそういうことか…。ソセゴンは麻薬類似薬であるペンタゾ […]

慢性膵炎、病院に行く目的は?

ケーススタディ これまで様々な問題を抱える傷病者のお話を紹介してきました。医療機関のブラックリストに載るような問題を起こす人たち、院内での暴言や暴力、喫煙や飲酒などルールが守れない、治療費を払わないなどなど問題の内容も人それぞれです。 中でもやはり救急隊が関わる事が多いのはアルコールに関わる問題を抱 […]

続・最近ボケてきちゃったみていで

ケーススタディ この記事は最近、ボケてきちゃったみたいでの続編、回答編となります。 現場にあった様々なヒントを元に、隊長は直近の脳神経外科を選定を下命しました。70代の男性、ひと月ほど前の頭部打撲、歩行障害、まるで救急救命士国家試験の臨床問題にでも出そうな典型症例です。 医療機関到着 医師「なるほど […]